・なんか普通に街を散策するクズゴミ
・ウツホのなんか
・なんかツツジ
・アザレア
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▼なんか普通に街を散策するクズゴミ
『じゃあ今日は何もなかったので現地解散お願いします』「あいりょうかァい」「お疲れ様です」
彼ら異能捜査員の司令官はそもそも異能を毛嫌いしていて、だからこのようにして酷く同類を遠ざけることも度々あるのだけれども、白銀小夜・石尾ツツジ両捜査員ときたら他人の感情を推し量るとかそういうのが苦手極まりないものだから、「わあー今日は早く帰れていいなあ」「書類無くてラッキー、いつもこうならいいのに」程度の感想しか持たずに家に直行するような人間で、つまりそんな二人は捜査ではなく戦闘とか書類整理要員だったりするので、特に処分対象が居ない日はこうして早くに帰宅できることも無くはない。
良かったですね。
と、平和に帰ることが出来たなら、それでも良いのだけれど。
生憎このバディときたら、仕事も一緒なら帰り道も一緒。うっかり繁華街の捜査なんぞに関わると、
「カラオケどうですか!ね!カラオケ!」「焼肉いま安いですよ!どうですか!」「デート?!じゃあこのチケットで10%安くな」
「「うるせェクソがッ!!!!」」
ざあぁ、と客引きの波が引く。ふんす、と鼻息荒く前に向き直る二人(警官)の胸中は、運の良い日にあったとしても、あまり穏やかではないのだった。
▼ウツホのなんか
いっそ何もかもを忘れてしまうように自らの記憶を操作すれば、胸の内の不快感は無くなるのだろうか。
そんな風に考えたことは、何度もある。
まっさらな世界にたった自分が、どのように生きるか。たとえば、得たすべてを「自分のものだ」と信じることができたとしたら、自分はもっと違う人間になれるのではないかと。いっそそうであれと祈るように、何度も何度も繰り返した。自分は変われるのではないかと。
だが彼の能力は、彼の友人たちはそれを幾度も否定する。
記憶を奪い。友人を奪い。立場を奪い。何もかもを奪い、絶望する姿を待ち受けるウツホに、友人たちは微笑むのだ。
「そばにいてくれてありがとう」
―――痛烈な復讐に、彼は幾度も夢を諦める。
人間性は、ウツホの能力では変えられないのだ。
▼なんかツツジ
学生時代の思い出を、苦々しい気持ちで振り返るものと暖かな懐かしさをもって振り返るものとがいるとしたなら、石尾ツツジはそのうちどちらにも所属しない異端の人間であった。
というのも、彼は自分にしか興味がないもので。
彼は快楽―――性愛以外の、と注釈をつけるべきだろう―――を極めて好み、他人が味わう不快を分かち合うつもりはなかった。そのようなツツジの態度は、多くのものにとって反社会的であり、一部のものにはこの上なく自由に見えたようだった。
「だからね、絶対石尾君にも会ってほしいんだ」
「へーェ」
飲み屋の騒がしさから逃れたツツジと、彼の昔の恋人は、ツツジのその自由な性質によって出会い、欠落した欲望によって別れ、そして今、『どうしても会ってほしい凄い人』のために再び歩みをともにした。
良くある話だ。同窓会に向かってみれば、宗教やらマルチ商法やらが手ぐすねひいて待っている。彼の昔の恋人も、そんな話の登場人物になったというだけのこと。
夜の街に消える女の背を見送って暫くの後、ツツジは携帯電話に向かって囁いた。
「…やっぱビンゴっスわァ。過激派『サイレント・グリーン』、来週あたり末端に接触開始しまァす」
手ぐすね引いて待つのは後ろ暗い連中ばかりではない。
『いかに自分に利する存在か』としてのみ他者を認める、非人間的な法の執行者もまた網を引いて待ち構えているのである。
ようやく、求められるに相応しい女に為ったじゃねェか?
最も、ツツジが相変わらず自分にしか興味のない人間であることを見抜けないようでは、まだまだ、といったところか。良く知った女の姿が影色に染まる未来を思い、エゴイストは酒に乾いた唇にゆっくりと舌を這わせた。
▼魔法少女アザレア
どうしてこんなことになってしまったの?胸に響く諦めの声は少しずつ大きくなってゆく。
今日の今日までみんな仲良く笑い合っていたはずなのに。
倒れ伏す友人たちは誰一人として動かない。いつも明るく笑っていた姫恵ちゃんも、小さな転校生の翔子ちゃんも、大人みたいにクールな白風くんも。
ああ。それに、いつも守ってくれたシャドウ・ナイトさえも!
「さあ、皆私に魂を捧げよ!そして私は、もっとも強き異能使い≪マジック・ユーザー≫となるのだ!」
恐ろしい魔女の高笑い。みんなの相談を真剣に聞いてくれる、優しい中野先生が黒の魔女だったなんて、まるで悪い夢みたいだった。けれど、ズキズキと痛む体中の傷が「夢じゃない」と証明してる。分かってる、わかってるけど、戦わなくちゃいけないけど、でも、わたし、もう―――
(あきらめちゃだめです!)
「えっ?」
誰もが倒れている校庭、吹き荒れる風のなか、それははっきりと聞こえた。胸に響く澄んだ声、これは、消えてしまったはずの妖精、メテルの声?
(今あきらめたら、みんな魔物になってしまいます!それで、いいんですか、アザレア!)
「…………いや。そんなの。絶対に…!」
くじけそうになった心に小さな火がともる。
そう、私がここで諦めたら、みんなと笑い合っていた今日も、今まで楽しかった全部も、無くなってしまう。それだけじゃない、世界中のみんなの笑顔だって、無くなってしまうんだ!
「…わたし。負けない!絶対、あなたなんかに、負けない!!」
――――次回魔法少女アザレア「新たなる力・セイントフレイム」!見逃したら炙っちゃうんだから!
※補足:姫恵ちゃん→薬中王子 翔子ちゃん→翔太くんちゃん 白風くん→コブキさん
シャドウ・ナイト→小夜さん 中野先生(巨乳)→心中さん メテル→ダツラ(Datura metelより)
・ウツホのなんか
・なんかツツジ
・アザレア
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▼なんか普通に街を散策するクズゴミ
『じゃあ今日は何もなかったので現地解散お願いします』「あいりょうかァい」「お疲れ様です」
彼ら異能捜査員の司令官はそもそも異能を毛嫌いしていて、だからこのようにして酷く同類を遠ざけることも度々あるのだけれども、白銀小夜・石尾ツツジ両捜査員ときたら他人の感情を推し量るとかそういうのが苦手極まりないものだから、「わあー今日は早く帰れていいなあ」「書類無くてラッキー、いつもこうならいいのに」程度の感想しか持たずに家に直行するような人間で、つまりそんな二人は捜査ではなく戦闘とか書類整理要員だったりするので、特に処分対象が居ない日はこうして早くに帰宅できることも無くはない。
良かったですね。
と、平和に帰ることが出来たなら、それでも良いのだけれど。
生憎このバディときたら、仕事も一緒なら帰り道も一緒。うっかり繁華街の捜査なんぞに関わると、
「カラオケどうですか!ね!カラオケ!」「焼肉いま安いですよ!どうですか!」「デート?!じゃあこのチケットで10%安くな」
「「うるせェクソがッ!!!!」」
ざあぁ、と客引きの波が引く。ふんす、と鼻息荒く前に向き直る二人(警官)の胸中は、運の良い日にあったとしても、あまり穏やかではないのだった。
▼ウツホのなんか
いっそ何もかもを忘れてしまうように自らの記憶を操作すれば、胸の内の不快感は無くなるのだろうか。
そんな風に考えたことは、何度もある。
まっさらな世界にたった自分が、どのように生きるか。たとえば、得たすべてを「自分のものだ」と信じることができたとしたら、自分はもっと違う人間になれるのではないかと。いっそそうであれと祈るように、何度も何度も繰り返した。自分は変われるのではないかと。
だが彼の能力は、彼の友人たちはそれを幾度も否定する。
記憶を奪い。友人を奪い。立場を奪い。何もかもを奪い、絶望する姿を待ち受けるウツホに、友人たちは微笑むのだ。
「そばにいてくれてありがとう」
―――痛烈な復讐に、彼は幾度も夢を諦める。
人間性は、ウツホの能力では変えられないのだ。
▼なんかツツジ
学生時代の思い出を、苦々しい気持ちで振り返るものと暖かな懐かしさをもって振り返るものとがいるとしたなら、石尾ツツジはそのうちどちらにも所属しない異端の人間であった。
というのも、彼は自分にしか興味がないもので。
彼は快楽―――性愛以外の、と注釈をつけるべきだろう―――を極めて好み、他人が味わう不快を分かち合うつもりはなかった。そのようなツツジの態度は、多くのものにとって反社会的であり、一部のものにはこの上なく自由に見えたようだった。
「だからね、絶対石尾君にも会ってほしいんだ」
「へーェ」
飲み屋の騒がしさから逃れたツツジと、彼の昔の恋人は、ツツジのその自由な性質によって出会い、欠落した欲望によって別れ、そして今、『どうしても会ってほしい凄い人』のために再び歩みをともにした。
良くある話だ。同窓会に向かってみれば、宗教やらマルチ商法やらが手ぐすねひいて待っている。彼の昔の恋人も、そんな話の登場人物になったというだけのこと。
夜の街に消える女の背を見送って暫くの後、ツツジは携帯電話に向かって囁いた。
「…やっぱビンゴっスわァ。過激派『サイレント・グリーン』、来週あたり末端に接触開始しまァす」
手ぐすね引いて待つのは後ろ暗い連中ばかりではない。
『いかに自分に利する存在か』としてのみ他者を認める、非人間的な法の執行者もまた網を引いて待ち構えているのである。
ようやく、求められるに相応しい女に為ったじゃねェか?
最も、ツツジが相変わらず自分にしか興味のない人間であることを見抜けないようでは、まだまだ、といったところか。良く知った女の姿が影色に染まる未来を思い、エゴイストは酒に乾いた唇にゆっくりと舌を這わせた。
▼魔法少女アザレア
どうしてこんなことになってしまったの?胸に響く諦めの声は少しずつ大きくなってゆく。
今日の今日までみんな仲良く笑い合っていたはずなのに。
倒れ伏す友人たちは誰一人として動かない。いつも明るく笑っていた姫恵ちゃんも、小さな転校生の翔子ちゃんも、大人みたいにクールな白風くんも。
ああ。それに、いつも守ってくれたシャドウ・ナイトさえも!
「さあ、皆私に魂を捧げよ!そして私は、もっとも強き異能使い≪マジック・ユーザー≫となるのだ!」
恐ろしい魔女の高笑い。みんなの相談を真剣に聞いてくれる、優しい中野先生が黒の魔女だったなんて、まるで悪い夢みたいだった。けれど、ズキズキと痛む体中の傷が「夢じゃない」と証明してる。分かってる、わかってるけど、戦わなくちゃいけないけど、でも、わたし、もう―――
(あきらめちゃだめです!)
「えっ?」
誰もが倒れている校庭、吹き荒れる風のなか、それははっきりと聞こえた。胸に響く澄んだ声、これは、消えてしまったはずの妖精、メテルの声?
(今あきらめたら、みんな魔物になってしまいます!それで、いいんですか、アザレア!)
「…………いや。そんなの。絶対に…!」
くじけそうになった心に小さな火がともる。
そう、私がここで諦めたら、みんなと笑い合っていた今日も、今まで楽しかった全部も、無くなってしまう。それだけじゃない、世界中のみんなの笑顔だって、無くなってしまうんだ!
「…わたし。負けない!絶対、あなたなんかに、負けない!!」
――――次回魔法少女アザレア「新たなる力・セイントフレイム」!見逃したら炙っちゃうんだから!
※補足:姫恵ちゃん→薬中王子 翔子ちゃん→翔太くんちゃん 白風くん→コブキさん
シャドウ・ナイト→小夜さん 中野先生(巨乳)→心中さん メテル→ダツラ(Datura metelより)
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